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【節税術】経営セーフティ共済の基本と前納裏ワザ|個人事業主もOK

 

コギさん
今期は利益が結構出そう。経営セーフティ共済で節税できるって聞いたんだけど、どうやってやるの?

 

このような疑問を解決します。

 

▼本記事の内容

  • 経営セーフティ共済の基本・仕組み
  • 経営セーフティ共済のメリット・デメリット
  • 【裏技】利益が出たらやるべきことは翌年分の前納

 

 

▼本記事の信頼性

Twitter(@iwasadaiki)

 

こんにちは。ダイキ(@iwasadaiki)です。この記事では、経営セーフティ共済の仕組みと活用方法を紹介します。

 

経営セーフティ共済の使い方は、カンタンではないですが、活用次第ではかなり良い節税方法になります。

 

僕自身も加入していますが、非常に使い勝手が良いです。

 

 

本ブログ記事を読み終えたころには、あなたも経営セーフティ共済を完全に理解した上で賢い節税ができるようになるはずです。

 

 

経営セーフティ共済の仕組み

 

まずは基本的な仕組みを、Q&A方式でみていきましょう。

 

コギさん
経営セーフティ共済ってなに?

 

A.中小企業の取引先が倒産した際の連鎖倒産を防ぐために創設された共済制度です。

 

自身の会社経営が健全でも、「取引先の倒産」という事態はいつ起こるかわからないですよね。

 

経営セーフティ共済は、取引先の不測の事態に直面された中小企業の方々が、今すぐ必要な事業資金を速やかに借入れできる共済制度です。

 

コギさん
加入できるのはどんな人?

 

A. 自営業or会社の代表者です。ただし、1年以上事業を行っている者に限ります。

 

上記に当てはまり、かつ下記の表に該当する方のみです。

 

業種 資本金の額または出資の総額 常時使用する従業員の数
製造業、運輸業、建設業、その他業種 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業 5000万円以下 100人以下
小売業 5000万円以下 50人以下
ゴム製品製造業 3億円以下 900人以下
ソフトウェア業、または情報処理サービス業 3億円以下 300人以下
旅館業 5000万円以下 200人以下

 

コギさん
月々の掛け金の上限額と下限額はいくら?

 

A. 5,000円〜20万円までです。

 

コギさん
掛け金の累計金額の上限はいくら?

 

A. 累計で800万円までです。

 

コギさん
税金面での税優遇はどんな感じ?

 

A. 掛け金は全額が、損金(法人)または必要経費(個人事業主)となります。

 

しかし、これは「課税の繰り延べ効果」であり、経営セーフティ共済の資金を受け取る時は、益金や雑収入になります。

 

そのため、最終的に節税になるかは、出口の戦略が大事です。

注意

節税には2種類あり、①税金が減る節税②課税の繰り延べになる節税。後者は出口をミスると増税になります。

 

 

経営セーフティ共済は、iDeCoや小規模企業共済のように税優遇された退職所得としての受取はできないんですよね。

 

受取時期に赤字や所得の低いタイミングをぶつけないと、節税としては弱い。。

 

逆に言うと、利益が大きい時期にしっかりと積み立てておき、赤字や所得の低い時期に受け取りすればしっかり節税できることになります。

 

コギさん
途中で掛け金の変更はできる?

 

可能です。5,000円から20万円の範囲で、5,000円単位で変更が可能です、

 

掛け金の変更ができるのは良いですね。

 

事業がきつい時は最小限で積立て、利益が出ている時は最大限で積立ましょう。

 

コギさん
途中で引き出しはできる?

 

「貸付」として引き出すことは可能です。また、全額引き出す場合は解約となります。

 

コギさん
貸付の上限額はある?

 

最大で掛け金(累計額)の10倍以内です。

 

補足

原則、取引先の倒産に直面した場合、貸付可能です。ただし、借入額の1割が掛け金の累計額から差し引かれます。5000万円借りた場合は、500万円が消滅します。

 

連鎖倒産するかもしれない緊急時は、銀行はもとよりどこもお金を貸してくれません。

 

そんな時でも拠出額の10倍まで借りられますので、1割は金利だと思えば悪くはないのかも。

 

補足

取引先の倒産以外にも貸付を受けることは可能です。最大で掛け金の95%までを一時金として事業用に貸付を受けることも可能です。

 

コギさん
掛け金と解約一時金の損益分岐点はどのあたり?

 

A.解約の仕方や経過期間によります。

 

経営セーフティ共済の解約方法には3種類あります。

  1. 任意解約:通常の解約
  2. みなし解約:死亡時や法人解散時の解約
  3. 機構解約:ペナルティとして機構側から強制解約されるケース

 

解約方法と積立期間の関係は以下のようになっています。

 

  解約したら戻ってくる率
積立期間 任意解約 みなし解約 機構解約
1ヶ月〜11ヶ月 0% 0% 0%
12ヶ月〜23ヶ月 80% 85% 75%
24ヶ月〜29ヶ月 85% 90% 80%
30ヶ月〜35ヶ月 90% 95% 85%
36ヶ月〜39ヶ月 95% 100% 90%
40ヶ月以上 100% 100% 95%

 

 

この内容で40ヵ月で掛け金の100%は流動性としては高いかなと。
ダイキ

 

コギさん
預け先の破綻リスクはある?

 

国の制度なので、国が倒れない限り大丈夫そうですが、独立行政法人中小企業基盤整備機構は毎年赤字です。

 

それを考慮すると将来的に節税の条件は悪くなるかもしれません。

 

 

経営セーフティ共済のメリットまとめ

 

  • 積立時に経費や損金として計算できる
  • 取引先の倒産時は掛金の10倍までをすぐに借り入れ可能
  • 倒産以外でも積立金の95%まで借入できる
  • 掛金は増額・減額が毎月柔軟に変更ができる
  • 前納すると割引になる
  • 40カ月以上経過で掛金が100%戻る

 

 

経営セーフティ共済のデメリットまとめ

 

  • 起業1年目は使えない。
  • 12ヶ月未満で解約すると損。(戻りは0%)
  • 受け取り時は益金や収入で課税対象
  • 貸付を受けると掛け金の10分の1が消える(実質10%の利息)
  • 解約金は一括受け取りのみ。分割で受け取り不可。

 

 

【必見】経営セーフティ共済の2つの裏技

 

裏ワザ①1年間で最大480万円を経費に計上(損金参入)できる

 

 

予想以上に利益が出ちゃう年や出そうな年は、この裏ワザで480万円分を経費に計上(損金参入)しましょう。

 

個人事業主でわかりやすく説明するとこんな感じです。

 

  • 1月〜12月の月払い:20万円×11ヶ月分=240万円
  • 12月に次の1年分を前納:20万円×12ヶ月分=240万円

 

こうすることで合計480万円分を経費に計上できます。

 

ただし、12ヶ月を超えると経費に計上できないので気をつけてください。

 

翌年さらに利益が出てしまった場合、(嬉しい悲鳴ですが)すでに前納済みなので、この裏ワザは使えません。

 

 

裏ワザ②解約して再加入が可能

 

 

経営セーフティー共済は累計で800万円まで積立ができます。そして40ヶ月立てば100%戻ってくる解約もできます。

 

ということは…

 

  1. 利益が大きくて節税したい年にたくさん積み立てて経費計上
  2. 経費をたくさん計上し赤字になるような年に解約
  3. 再加入する

 

1〜3を繰り返すことで、たとえ利益に波のある事業でも、課税の繰り延べを数年サイクルで繰り返すことができ、税金の払い過ぎを平準化し抑えることができます。

 

ただし、自分のタイミングで都合よく解約するには廃業や法人化などの条件が必要になります。

 

 

【注意】「課税の繰り延べ」は節税にならないこともある

 

経営セーフティー共済は経費計上できますが、所得控除や税額控除のように差し引かれて終わりというものではなく、いつか積立金を受け取る時がきますよね。

 

利益の出た年に経営セーフティー共済の積立金を受け取ると結局課税されてしまい節税は無かったことになります。

 

 

事業の利益が高い年に積立金を受け取ってしまうと、その分税率も上がり、むしろ損します。

 

 

ただし、赤字の年に受け取ることで、相殺されて実質的な節税となります。

 

 

このように赤字のタイミングや、利益や事業所得が低い年に受け取ることで、節税ができます。

 

 

結論:適切な活用でうまく節税しよう

 

結論として、経営セーフティ共済は節税目的ならありです。ただし使い方を間違えると、増税になるため注意しましょう。

 

名前の通りですが、経営セーフティ共済は、取引先の倒産に備えるための積立制度です。

 

「節税」が一つの醍醐味でもありますが、実際は課税の繰り延べであり、出口を気をつけないと節税になりません。

 

課税の繰り延べは所得や利益を圧縮した後、赤字になるような年を想定しないと実際には節税にはならないので注意です。

 

節税目的で、うまく活用できる方には非常に良い手法です。

 

個人事業主の方はiDeCoや国民年金の付加年金も良い節税方法です。おさえておきましょう。

 

▷参考記事:iDeCo学習のブログ講義|知識ゼロから上級者まで

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